午後4時。まだ昼下がりの暑さが残る太陽の下、自転車で海に向かう。あたしの相棒ったら、今日は、コキコキと鳴いていた。鵠沼に来てから潮風のせいでサビが一層目立つようになったし、いい味を通り越して、ただのおんぼろ自転車になってきちゃったかもしれない。でも、動けなくなるまであたしと板を運んでおくれね。 海は潮の流れが強く、波もオンショアも強く、昨日より過酷だったかもしれない。砂利が浅瀬に集まっていて、歩いて沖に行くときに、足の裏が警戒してた。ブーツを履いてくればよかった。 スープ練習で、体重移動をやってみようと思ったけど、ある程度乗れる距離のスープのところまで行くのがたいへんで、ちょっと凹んだ。乗れても、大の字になって海に落ちたり、思いっきり砂利や貝殻の上に落ちて膝小僧をケガしちゃったり。あ。血。サメが勘づいちゃう…って、ちょっと焦ったりして楽しかった。今日も海水温がひんやりと気持ちよくて、5月を思い出した。あたしがなかなか出ることのできない、ずいぶん向こうの沖では、肩くらいの波に乗り狂ってるショートボーダーたち。見てるだけでも気持ちよかった。そして、そう、今は9月。海水浴客がいなくて、海が広い!!波のコンディションは悪くても、あたしが自由にできる幅が、100mくらいとか余裕である。 ビーチに戻って、膝のケガを、あーあ、と思って眺めながらタッパーを脱ぐ。夏に日焼けしそこねちゃったから、日焼けできたらいいなと思って。赤くなった傷が、でも、ちょっとうれしかった。今年はあまり、サーファーらしい小さな傷を作るチャンスもなかったから。海の中でだけ、子どもに戻れる。子どもに戻りたいわけではないけど、いろんな形になって海に落ちたり、海や風の、どうしようもない流れの中にいるときの、諦めみたいな、ふっきれた気分って、けっこう気持ちいい。 タッパーを着て、もう一度海に入る。足の裏を切りませんようにと願いながら、おそるおそる。それから、何本か乗って、お家に向かった。久しぶりに、白いごはんとおみそ汁を作って食べた。めちゃくちゃ美味しかった。 #
by surfer-lui
| 2004-09-02 23:52
| 2004年8月〜
久しぶりに海に行く。台風の余韻が残るような、荒れた波だった。オンショアも強い。でも、白い杭の向こうの夕焼け雲のピンクがとってもきれい。空気も澄んでいた。久しぶりに砂を踏む感触を足の裏で味わい、あたしは簡単に笑顔になれた。あー。気持ちいいなぁって。 海からの風をいっぱい吸い込んでるってことだけでも来てよかったなぁと思う。あたしは、のんびりとストレッチを始める。カメラを持った男の子が、あたしに声をかける。写真を撮るのが好きなんだろうな、彼が持っていたのはニコンのマニュアル操作のカメラだった。シャッター音がカチリと品良く鳴る、その手のカメラがあたしも好きだ。「ストレッチしてるとこの写真、この角度から撮らせてもらっていいすか?」。あたしの向こうに、夕陽のお空。撮りたい気持ちはとってもわかる。サーファーって、ただそこにいるだけで絵になるもんね。(あたしは波の上では絵にならないけど…)「うん、いいよ」。いいけど、それにしても、固い、あたしの身体!!!屈伸しても、頭が膝小僧につきません♡ あまり絵にならなかったかもよ。 いろんな角度でシューティングをした彼は、しまいにあたしの正面にやってきた。「最後に正面から」って言うので「え、なんで?」ってつい身構える。でも一瞬の後、まいっか、撮られて困るような格好じゃないしと思うと「ニカッ」と微笑んでた。サーフィンのときにいつもする写真用の指ポーズをつけてるあたり、あたしの機嫌は良い模様。指は、親指と小指を立ててほかの指を閉じた形だ。今日という日のあたしを、知らない誰かがフィルムに収めて持っててくれるんだ、と思うと、ちょっとうれしかった。 波は、とってもバランスが取りにくく、久しぶりのなまった身体に厳しい仕打ちを繰り出した。スープでも板がななめになってしまって、テイクオフもままならなかった。でも、疲れるまで何度も沖に向かうのは、とても気持ちよかった。水の温度も心地良い。海らしく、生ぬるくなく、トランクスとタンクトップのタッパで最適。パドルが下手になってる。腕力も落ちてる。バリまでに、ちょっと体力を取り戻そうっと。 波乗りで疲れた後、夕げの香り漂う鵠沼の街を、自転車でのんびりと帰るのが、とても好きだ。 #
by surfer-lui
| 2004-09-01 20:01
| 2004年8月〜
自転車の空気が抜けてた。自転車屋さんに持っていくと1時間待ちと言う。Gooへは歩いても行けるけれど、家でやらなきゃいけない仕事もあるし…。このじれったさが、よけいに気持ちを盛り上げてくれるんだからもう!って思いながら、愛しのサビサビ自転車を自転車屋さんに預ける。いつもあたしを海に連れて行ってくれる相棒。しっかり直って帰ってこいよ! さて、Gooに到着すると、成田社長はエアコンなしのショップ内で、たっくさんのリペア待ちやリペア済みの板に囲まれてお仕事をしていた。上半身裸である。あたしは、この方を、人生の大先輩としてひそかにお慕い申し上げていて、上半身裸体のときに突然おじゃましちゃったことを申し訳なく思う。しかし、サーフィンとサーフボード作りで鍛え上げた肉体は、逞しくて素敵♡ おっと、話がそれちゃった。 ショートボードを2枚、リペアしてもらった男の子が板を取りに来て、仕上がりの美しさと修理代の安さに感動していた。社長的には、朝飯前って感じで、あたしは社長に惚れ直した。また話がそれちゃった。 さて本題。 去年は40人余りだったツアーが、今年はすでに80人余りの申込みだそう!すごい。今年はサーフィンが前年以上にブレイクしていて、成田社長の横浜のショップ、SURF&SUNSにも今年始めたメンバーがいっぱいいるんだって。そして、今年始めた人もバリに行く人が大勢いるらしい。女の子サーファーも増えたと聞いてうれしい。鵠沼で知ってる女の子はたぶん誰も行かないので、ちょっと寂しかったから。 例年なら10月からガルーダ・インドネシア航空が、運賃値下げをするらしいが、今年は値下げは11月からだそう。なぜならバリ旅行が人気らしくって。しかもあたしたちのツアーの時期は、10月の三連休を含んでいる。だから、今、人数がふくれあがっている我々のツアーの航空チケットがとれるかどうかの瀬戸際にいるそうだ。しかし、何があっても、あたしたちは10月には、バリの波に乗っている。そのために、今、成田社長と、旅行会社さんががんばってくれているんだって。あーん、頼もしい!!応援♡ 簡単にうまくいかないと、より一層気持ちが盛り上がっちゃうんだね。ただ連絡待ちなのに、あたしまで、なんだか勇ましい気持ちになる。 そういう経緯を話してくれた後、成田社長が言う。 「いっこだけ確認しなきゃいけないんだ。飛行機が変わるか、同じ出発日でも、飛行機を分乗するかしなきゃいけなくなったとき、料金が何千円か上がるかもしれないんだ。それでも行くかどうかだけ確認させて」 「行きます!」即答♡ 何度でも言う。1年間、心待ちにしてきたのだ。大好きなレギャンビーチの波の写真をお部屋に貼ってはうっとりと眺め、澄んだ海でのロングライドを夢見てきた。昔読んだ、山田詠美の小説に出てきた、バリの砂が夕暮れどきに紫色になる様を思い浮かべ、本当は、南国のまだ見ぬ空気に、ずっと前から思いを馳せてきたことまで思い出す。長いこと憧れてたバリに、しかも波乗りをしに行けるんだもん!行けなくなったら、泣きます。 最終確認の連絡が、再び来るそうだ。でも連絡くれなくてもいい。だってあたしの答は変わらないから。何が何でも、飛行機、飛ばしてもらいます。 #
by surfer-lui
| 2004-08-27 01:44
| 2004年8月〜
10月のバリ島ツアー(サーフラッツ主催)の申込書をついに書き上げた! あたし的には、書き上げただけで、かなりの充実感。大盤振る舞いの、7泊9日で申し込むことにした。去年から決めていて、半年前から仕事関係者に宣言して、ようやくこの時が来たのね…と感慨深い。10月は、あたしのおそめの夏休み。楽しみ。さて、これを誰に提出すればいいのかしら? 吉田先生に質問すると、あたし待ちだと言っていた。ごめんね成田社長(主催者)。でも待っててくれてうれしいよ。申込書書き上げただけで、行けませんでした♡ じゃ、ちょっと自分がかわいそうすぎる。さっそく明日、鵠沼にある成田社長のショップGooに持って行くことにする。初めての海外でのサーフィン。そして初めてのバリ島。たぶんサーフィンの腕前では、一番、ひよこの座を守っているはず。まだターンできないし。そんなあたしをよろしくお願い致したい気持ちでいっぱい♡ ★バリツアーに向けて今日の検討事項 ・バリでエステに行くことを考え始める。 ・iPod miniを買うのをやめることにする。 ・バリで売ってるカゴをたくさん仕入れてしまったらどうしよう。ネットで売ろうかな♡ タイミングが合わず、なかなかサーフィンできずにいる。海が恋しい。 #
by surfer-lui
| 2004-08-25 00:22
| 2004年8月〜
仕事が終わったら、もうサーフィンできないくらい暗かった。でも、海に行きたかった。見に行こう、そして、自転車でボードを載せたまま、すんなり海にたどり着ける道を見つけよう。自転車で走り始めると、空には、にっこり笑った口みたいな月が、出てた。かわいい。 海に着くまで気づかなかった。あ、そういえばオンショアじゃない。そう、オフショアが、ビーチに降り立つあたしの背中を押す。波の形がきれいだった。あたしの憧れの写真、レギャンの波みたいに。波は小さかったけれど、ときどき、左右にきれいにブレイクしていた。ああああああ、今日波乗りしたかったなぁ。人が近くにいても1mしか離れてなくても、きっと誰だかわからないくらい、もう、暗かった。あたしをうっとりさせた波の中に、人影が一人。こんな真っ暗なのに。でも、今、板を持ってここにいるその人に、あたしは、エールを送りたかった。そしてその人がなかなか帰れない気持ち、すごくわかっちゃった。波を、独り占めだったもの。 誰にも乗られることのない、パーフェクトウェーブって、なんて贅沢なんだろう。 #
by surfer-lui
| 2004-08-21 00:33
| 2004年8月〜
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