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バリ以来、波乗りしていない。完璧にサマーサーファーをまっとう中♡ ウェットスーツをやっぱり着たくない自分、水で顔を洗うのも無理ってくらい寒がりな自分が、今年も健在。でも、踊りで、背中の筋肉とか超使ってストレッチはできてるのが、ちょっとうれしい。 引越しなくちゃいけなくなったので、この機会に鵠沼を出ることにした。あたしの生活は、ここを拠点にするには、都市部に行く機会が多く、そのことで時間と労力をとても必要とする。それでも、遠くても、鵠沼に帰ってくるのがとてもうれしくて、鵠沼海岸駅に着いた電車を降りる瞬間がすごく好きだった。海の匂いを深呼吸して胸いっぱいに感じるのとか、、駅の上を渡す通路から、月を見るのとかも。でも、あたし夏しかサーフィンしないし。しかも夏の江ノ島ではサーフィンしたくないし。もう1回鵠沼に住む?答はノーだった。というわけで、出ると決め、春に、波乗りだけしに来ることにした。ああ、でもやっぱり、水着で自転車に乗って平気な街、名残惜しいなぁ。 そのことを決めるとすぐに、まことや、先生のお店をお手伝いしてる、ひろみちゃんに偶然会った。久しぶりだった。「入ってる?」って、自分がその言葉を忘れてなかったことに、軽く懐かしさと甘酸っぱい気持ちを味わった。ひろみちゃんはこの季節でも入ってるらしい。すごい!海の中だとそんなに寒くないって言ってた。信じられない♡ まことは、寒いときは入らなかったりするって。「寒いもんねぇ」。二人には引越することを告げた。でもまた、暖かくなったら会えるといいねって、約束じゃない約束。年末に「Step into Liquid」鑑賞年越しイベントが、江ノ島の近くで開かれるらしい。でも、その日、あたしは都内のパーティーに行くことにしてる。←ほらやっぱり、鵠沼に住んでいるモチベーション低下しまくり♡ 今日も、海から上がった、ちゃりんこサーファーとすれ違った。いい顔をしていた。 ![]() ふらりと現れたあたしに、彼らは、いっせいに白い歯を見せて、けれんみのない笑顔で手招きしてくれた。靴を脱いで上がるように勧められるがまま、東屋の屋根の下に入った。「これなんていう楽器?」「ブンブン」「素敵な音ねぇ、弾いてみてもいい?」。竹でできた木琴のような楽器だ。彼らは、正月にしか帰ってこない家族にふるまうかのように、めちゃくちゃフレンドリーに、「ひいてみ、ひいてみ」とあたしの場所を空けてくれて、バリの音楽をひとつ、弾かせてくれた。何度も練習していると、しまいには、ひげのおじさんが、あたしの後ろからおおいかぶさるようにして両手を持ってまで、ちゃんと弾かせてくれた。おじさんの体温ばかりでなく脈拍数さえ感じたことよ。とても5歳児の子どものような気分だった。 「そろそろ行かなくちゃ」。あたしはこれから出かける便に乗り遅れないように、彼らを後にした。「またおいで」「うん、また来るね、ありがと!」。その旅の間、あたしが東屋へ再び出向くことはなかったけれど、今度いつ行こうかなと考えることは、とてもあたしをわくわくさせるのだった。 ![]() 夜の外出のときに、道ばたの屋台でも売っていたので、買ってみた。魔法瓶みたいなのに入ったお湯で、目の前で作ってくれる。思いっきりインスタントコーヒー、なんだけど、旅先でこういうことをするのって、楽しいね。後ろに写っている人は、お客さん。右に写っている屋台の主の知り合いのようだった。明るくてフレンドリーで、かわいい人たちだった。 宿泊したリサタホテルのカフェとルームサービスで飲んだバリコピが、忘れ得ぬおいしさだった。バリのお砂糖(三温糖のような色をしていて、粒の大きなグラニュー糖という感じの質感)を入れ、ミルクをたっぷり注いで飲んだ。ポットに、カップ3杯分のコーヒーが入ってくる。特にサーフィンの後、からからの喉と、疲れた身体に、染みこんだ。これまでの人生で一番おいしいコーヒーだったな、二杯続けて、息もつかずに飲んだ。 ![]() 砂浜の木陰に更紗を敷き、その上に横たわると、ぎとぎとにココナッツオイルを塗った手で、揉み始めてくれる。ココナッツのいい香りにうっとり。ニョーマンが上半身を担当。なぜか、彼女の手の感触がザラザラしている。砂を混ぜているのかと思ったが、その刺激がちょうどいい♡ 確かめるのを忘れちゃったけど、あの感触は、ニョーマンの手のひらが荒れているからだったのかどうなのか。けっこう年輩だし。その頃、マリアが足をもみほぐしてくれていて、気持ちいいわ、ココナッツの香りにおなかがすくわで、よだれ必至だった。最初うつぶせで、つぎに仰向けにされ、網の上で焼かれる魚のように、なすがまま。身体の両面、手、足、肩、デコルテ、おなか、トータル40分くらい。途中で「あー気持ちいい」と言いまくっていると、「延長したら4万ルピア」と、営業を始めていた。揉まれているときくらい、ただ揉まれさせてくれよぉ。油断すると、周りに物売りが集まってくるので、狸寝入りが必要だった。マッサージの後、なんだか、じりじりと、肌が日焼けしてますよサインを送ってきた。ココナッツオイルが、サンオイルの役目を果たしたのかもしれなかった♡ マリアは、本職のネイルアートを、どうしてもしたくてたまらなく、マッサージの後ネイルしようよとしつこかった。その日はしたくなく、翌日にお願いした。そのときの嬉々として更紗を広げるマリアは、お人形遊びをようやくお姉ちゃんと一緒にできるとわかったときの少女のような顔をしていた。 色とりどりの、何の統一性もなく集められたマニキュアの瓶を、無造作に袋に放り込んでいて、その中から好きな色を選び、マリア本人の爪に塗られた10本のサンプルの爪の模様から好きな模様を選ばせてもらえる。配色も好きなようにリクエストできる。模様はプルメリアのお花のバリエーション。1個大きく描かれていたり、2個バージョンだったり、飾りの線が多かったりする。マニキュア瓶の蓋と一体化してる筆だけで、花や、花の蜜、葉っぱを描いていた。どこかで勉強したわけでなく、ただ練習しただけだと言っていた。とても器用で、手際がよく、見ているのも楽しかった。爪の外にはみ出ちゃったマニキュアを、どうするのかと思ったら、ちゃんと除光液をつけて拭き取ってくれた。綿棒じゃなく、綿を使って器用に。 「マリア、あたし、海の方を向いて座りたいの」。と言って、あたしは海を見ながら手足をマリアに預けて、リラックスしていた。足の爪を塗ってくれるとき、少し足を高く持ち上げるために、マリアは更紗の下の砂で山を作る。あるいは、彼女の太ももに、あたしの足を乗っけさせる。それが、バリのビーチスタイルだ。マリアは、「あたしにもマニキュアして」と言ったときに、「する?する?!!」と、うれしそうにしてくれた気持ちの勢いのまま、黙々と、あたしの20本の爪を塗り上げ、プルメリアの花をそれぞれの爪に描いてくれた。自分の仕事をちゃんとする人の仕事は、気持ちがいい。あたしが今度クタに行っても、爪を塗るなら彼女にお願いしようと思う。 マリアが塗ってくれた爪。ペディキュアバージョン。この写真、白とびしすぎ。
![]() 写真は、まだ子どもなのかな?ビーチに現れた野良犬。とても人なつっこかった。この形が基本形。ほかに砂色、薄茶、白なんかを見た。一緒に写っているのが、ファンボードレディース部門優勝の、アミ。
サーフラッツのツアーに参加すると、自動的にコンテストに出ることになっている。ふだんコンテストには縁のない、あたしみたいなお気楽サーファーも、めったにできない体験ができるので、けっこう楽しみにしていた。15分のうち、ベスト3ウェイブの得点の合計得点で競う。7本まで乗るチャンスがある。なので、少なくとも採点してもらうコツとしては、3本は乗ること、なるべくロングライドすること、と教わる。あたしの目標は、スープでもいいので必ず3本は乗ること、だった。テイクオフしてからのライディングが評価対象なので、テイクオフし損ないそうになったら、やめちゃうほうが得策だと思った。 作戦★まず3本、スープで乗る。あとは、時間があるだけ、7本乗る。ブレイクに合わせて乗ることに挑戦できたらいいな。 ああ、作戦なのに、女の子達に話しちゃったよ! パオン!とスタートのラッパ(?)が鳴り、鵠沼で見たことあるようなコンテストっぽくてかっこいい! 赤、青、白、緑のラッシュガードを着た4人が同時に海に入る。あたしは赤色だった。情熱の赤。素敵♡岸からは成田社長のアナウンス「赤、テイクオーフ!2.7ポイント!」みたいなのが聞こえて、「めざせ3.0ポイント…」と念じながら、また沖に向かうのであった。ほんとは3.0ポイントを超えたのは1回くらいしかなかったかも。でも6本乗れたので、あたし的には上出来。ちなみに予選落ち♡ 評価は、1回のライディングごとに、こういうふうになっている。たぶん5段階。プロでもなかなかexcellentを出すのは難しいようだ。 (単語と相対する点数についてはあいまいなので信じないように。) poor…0〜2.9point average…3.0〜4.9point good…5.0〜6.9point (ここにもいっこ、何かあったような気がする) excellent…8.0〜10 女子ファンボードの部では、「あたし優勝するね!」と宣言して、一緒にカゲ練してた、アミちゃんが、優勝!!!すごーい。ほんとに言った通りになっちゃった。カゲ練に誘ってもらい「もっとアウトにおいで」と言ってもらうと、安心してアウトに出れるのだった。そんなあたしは、すぐに疲れて木陰でお昼寝。でもアミは、あたしが練習してないときも練習してた。アミが、あとふた漕ぎしたら乗れるような波を逃すのを見ていたあたしは「あともうふた漕ぎしたら乗れたよ、いくつかそういうのがあった」と、ブルークラッシュづらをして言ってみたりして♡ 波乗りって、一緒に海に出るだけで、仲良くなれちゃうのが、ほんと、さわやかでいいなぁ、と、こういうとき思う。アミからは、あたしが棒立ちっぽくなってること、もっと腰を落としたほうがいいことなんかを教えてもらった。「るいねえは、テイクオフできたら、誇らしそうに乗ってるでしょ(笑)。テイクオフが早いんだから、もっと膝曲げたら、もっと乗れるよ」と、板の上でいつもうれしくなってるのまでお見通し&励ましが、とてもうれしかった。そう。素早いテイクオフは、家で、カゲ練したんだもん。プロのビデオを何回も巻き戻して見て。 家に、盾がある。出場者全員に盾が贈られ、優勝や準優勝者には、大きな盾と賞品が贈られた。あたしのには、手作りの木彫りに「サーフラッツサーフィンコンテスト レディース ファンボード 7位」と英語で記されている。初戦で敗退した5人が、7位♡ ←かわいいでしょ。 体育会系じゃなかったあたしが、こんな素敵な盾をもらって、うれしくて、こそばゆいような気持ち。でも、盾を見るたびに、たった15分、ものすごく真剣に波を待った時間を思い、誇らしくしあわせな気持ちになる。バリの、一等素敵なおみやげだ。 ![]() 式は、日本語と英語でおこなわれ、牧師さんが、愛川キンキンにちょっと似ていた。賛美歌は日本語で歌う。花嫁と花婿はウェディングドレスとタキシード。介添えの女の子たちや、ビデオ撮影スタッフたちはバリニーズで、バリの民族衣装を着ていた。参列者のうち、親族の何人かは、バリの正装をしていた。成田社長や、男子サーファーズたちも、正装に近い(腰に布を巻き、耳にプルメリアをつける)装いだった。アジア系だから、みんな、その格好がとても似合っていて素敵。 ブーケトスで、ブーケがあたしの胸にバサっと落ちてきた。彼氏いない歴突入したばかりのあたしには、つぎ結婚する人として自分から名乗りを上げる勢いでブーケをとりにいくパワーがなかったから、ちょっぴり戸惑った。でも、うれしかった、とっても!もらっちゃったので、しょうがない。つぎ結婚するのは、あたしです。成田社長が「つぎは俺たちの番だな」と言っていたので、言わせておいてあげた♡ (※たわむれです) ウェディングパーティーは、宿泊先のRisata Hotelのプールサイドにて夕刻から、ツアーメンバー総勢が招かれて開かれた。お色直しをした新郎新婦は、バリの衣装をまとい、二人ともよく似合っていて、エキゾチックで素敵だった。ウェディングドレスとタキシードももちろん素敵だったけど、サーファーの二人には南国色がとてもよく似合う。 暮れていく空のピンクから青紫色に変わるグラデーション、プールのおだやかな水面、心地よく疲れた身体に、おいしい食事。食事の後は、生演奏でバリ舞踊のショーがあった。初めて見る舞踊と、トランスしていく音楽に、時を忘れ、あたしは今どこにいるんだろう、とぼんやり思いながら、眠く気持ちよくほろ酔った気分だった。ノンアルコールなのに。ジュンイチさん、キクコさんには、ラブラブな雰囲気をずうーーーーっと守って欲しいなぁと思う。プールに落とされたキクコさんを助けに行ったジュンイチさんに、キクコさんが抱きついた、愛しさ200%バリ最高!なシーンの二人のまま。もしケンカしてラブラブを忘れても、あたしがおぼえててあげるから。あの日、二人がどれほどしあわせそうだったかということを。あのシーンを見て、愛する人がいるしあわせを切望したのは、あたしだけじゃない♡(あたし調査) ![]() ![]() 車の窓から顔や手を出し、風を感じ、空を仰ぐと、街路樹の緑のきらめきが降ってくる。そして、白い小さなものがたくさん降っている。金木犀の香りがする。木々から、お花が降ってきていたのだった。ボブ・マーリーの声を聞きながら、あたしは、とっても良い気分。「明日、アパッチに行こうね」とタワン。「うん!」。アパッチとは、繁華街にある、人気のレゲエクラブ。その近くで、2年前にテロが起こったそうだ。でも、テロが起きるなら起きろ、ぐらいに、身を任せちゃってる、なげやり感は、遊びをまっとうしに行っている旅に似合っていた気がする。結局あたしは、疲れていてアパッチの夜、9時にはベッドに入っていた。「来年はアパッチに一緒に行こうね、タワン」。今年バリでできなかったことは、全部、来年に繰り越し。今年一緒に行けなかった友達とは「来年は一緒に行こうね、バリに」。淡い約束が、たくさん。家でボブ・マーリーを聴くとき、クタの街に舞っていた甘い香りと、ときどき鼻をかすめるお香のような香りと、一秒後にはそれらをあっけなく消してしまう、排気ガスの匂いを思い出す。 写真は、テロから2年経った記念のフェスティバル。クタビーチ沿いの道路を、オートバイや自転車や馬車がパレードした。バリは車検がないらしく、改造も思いのまま、だそうだ。 ![]() 彼女らは、自分の名前を書いた帽子をかぶっていたり、そうでなくても自分の源氏名を持っている場合も多い。日本人観光客向けに名付け、日本人に名前を書いてもらうのであろう。雑貨を売る、みぽり、泉ピン子、SUSI、なみちゃん、銀を売る山田くん、カトちゃんらのターゲットは、どう考えても日本人。マッサージの上手な、ニョーマン(現地名)、マリア(ジャワ出身)は、日本人向けの名前を持っていなかった。 あたしは、3日目ぐらいに、アキちゃん=「あきたけじょう」から、バリの神様を象ったペンダントを買った。象の骨で作られているという、火と水と風をモチーフにしたペンダントトップだそうだ。「ゾウゲジャナイヨ」とアキちゃんは言う。こまかいお金がなくて、昼食後にお金を払ってもいいと言われるので、先に品物だけ受け取り、首につけてそのまま波乗りに行く。昼食後、アキちゃんが言っていた値段では高いので、希望の金額を提示しながら、それだけのお金を持ってアキちゃんの元へ行く。「1万ルピアでいい?」するとアキちゃんは、「2万じゃないと売らない。安すぎるから売れない。はずして」と言った。「水に濡れちゃったのに、いいの?」と聞くと、構わないと言う。物売りは、値段をふっかけてくるので、旅の先輩たちから、自分で納得できる金額を提示するように注意されていた。先輩達が思うよりは、高い金額であたしは買おうとしていたが、アキちゃん的にはNGだった。そんな金額じゃ売れねぇ、という、職人としてのプライドだったのか、ただの商魂なのかはわからない。あたしには、もう1個、欲しいペンダントがあったし、アキちゃんはそのことを知っていた。 しばらく経って、アキちゃんはあたしのところにやってきた。「さっきのペンダント6万ルピアで売った」と言う。「まじで!あたしが使ったのにー?」「うん♡今度から、友達に2個で10万ルピアで買ったと言ってくれる?」。アキちゃんは、あたしを、自分の手下にしようとしていた。「2個で5万って言うんだったら良いよ。だって10万は高すぎるもん」「わかった。それでいいよ」アキちゃんはにっこりしていた。ほかの人に6万ルピアで売ったということすら、あたしをお得意様気分にさせる罠かもしれなかったと思った(笑)。そして、あたしは、その全部を友達に報告した。先ほど買い損ねた、バリの神様のペンダントと、もう1つのペンダントを、2個で2万ルピアにしてもらって、買った。なんだ結局1個、1万ルピアでいいんじゃん!でも1個1万ルピアじゃダメで、2個2万ルピアならいいようだった。 つぎの日。ツアーで全員参加のコンテストに出る前。あたしたちのテントの近くにアキちゃんが座って物を作っていたので、声をかける。「アキちゃん、あたしこれからコンテストに出るの!応援してて!」。するとアキちゃんは「これあげる、お守り」と言って、手作りのネックレスをくれた。珊瑚と木のパーツをつけた新作らしい。「ありがとぉ!アキちゃん!!」。コンテストの後、アキちゃんのお守りのおかげで、ちゃんと乗れたよ、と報告に行く。アキちゃんは、また別の作品をこしらえていた。「うわー、それかわいいねー♡ I like that one!」と言うと、「あいらいくざとわん、あいらいくざとわん」とあたしの真似を楽しそうにして、「これもあげる」と言って、くれちゃった。アキちゃんの商品の価格は、さっぱりわからない。 最終日に、今日で帰るの、と報告し、また来年ね、と言ってハグをしたら、あたしはちょっと涙ぐんでいた。毎日、マルボロは吸わないのと言うあたしに「タバコ買わない?」とすすめるおじさんにも挨拶をした。それから、買わなかったけどまた来年ね、と更紗売りのおばちゃんたちにもさよならを言った。来年、彼女らはきっと「去年買わなかったよね、今年は買うって約束した」と言い張るだろう。アキちゃんは、今日も、同じ服を着て、ビーチで雑貨を売っているだろう。HOT TUNAと書かれた長袖Tシャツを毎日着ていた。 写真上は、編み物で、小さなケースを作っているアキちゃん。友達のリクエストに答えて、あっという間に仕上げていた。ビーチに座り込み、黙々と、編み目の揃った作品を作る腕前には感心した。写真下は、アキちゃんとあたし。帽子はアキちゃんのをかぶらせてもらった。帽子の上に載っているのが、ブレスレットたち。ひもに通してドーナツ状にしたものを帽子の上から頭に載せる。ずしりと重い。 ![]() ![]() クタリーフ(エアポートリーフとも呼ばれている)の夕焼け。宿泊したRisata Baliホテルから徒歩数分でクタリーフに出ることができる。ここからは、エアポートに離着陸する飛行機を間近に見ることができる。クタビーチで波乗りした後の夕方、みんなでごはんを食べに行く前に夕陽を見に行きたいと言うあたしの個人的なリクエストに答え、マディが取りはからってくれて、ムラが車で送ってくれた。ムラは、あたしが砂浜に降りて、マディ曰く6:16に沈む夕陽を見終えて、満足するまで、黙って待っていてくれた。とろりと海に飲み込まれていく太陽と、水に濡れた砂を紫色に染める光。泣けちゃうくらい美しかった。まるで修学旅行のようなハードスケジュールの日程の中で、ほとんど初めて、独りになった時間。あたしは、離れた場所で見守ってくれているムラを背中に感じながら、手放しで少し感傷的になることができた。裸足になって砂の上を歩いた。そして座り、自然の前に、ただ居ることの贅沢と、無力を思い知る時間を堪能する。あたしにはそんなふうに独りになる時間が必要で、それはとても快適だった。 ここの波は、遙か沖でブレイクする。写真の、水平線のあたりがまっすぐの線になってないのが見えるだろうか。あれが波のブレイク。岸には、湖のような、さざ波。波乗りするなら、船で沖まで連れて行ってもらうそうだ。いつかこういうところで波乗りしてみたいけれど、底がリーフなので、すごーく上手になってから、ヘルメットとブーツとグローブを着用してじゃないと、ちょっと怖い。 ピンクや黄緑色や黄色の船がビーチに並んでいる。たくさん。写真に写っているのと同じ形の船たちだ。夕刻には、地元の家族連れや恋人達、友達どうしが散歩したり、ビーチバレーをしたり、ラジカセをかけて、少し水につかりながら踊ったり、くつろいだりしている。あたしがバリで強く感じたのは「営み」だ。日が昇ると共に、人々がエネルギッシュに、自分の役割を果たす1日が始まる。その1日の営みを、トーンダウンさせ、夜へと誘うご褒美のような優しい時間が、流れていた。 ![]()
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